外国人観光客の満足№1日本食が、ラーメン!

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2016年 4月 7日 (木) インバウンド, ニュース&プレスリリース by nobu

満足した日本食ランキング確定H27-2

(出典:観光庁H27年度 訪日観光客消費動向調査のデータからアセンティア・ホールディングスが独自に作成)

4月5日に発表となりました平成27年「訪日観光客消費動向調査年次報告書」を分析しました。

訪日外国人数は、2015年で1974万人となり、2020年目標の2000万人に到達する勢い。結果2020年目標が4000万人と予想通り引き上げられました。

 

訪日客の増加が我が国に与える影響、私たちのビジネスに与える影響を考えて、手を打つ必要があります。

 

重要で唯一の情報源が、観光庁が各四半期9200名の訪日観光客に対面式で調査しているのが「訪日観光客消費動向調査」です。

■平成27年訪日外国人旅行消費額3兆4,771億円

・前年2兆278億円に比べ71.5%増加。

・宿泊料金が25.8%、飲食費が18.5%、買物代が41.8%

■平成27年訪日外国人の旅行支出176,167円/人

・前年151,174円に比べ16.5%増加。

・韓国75,169円、台湾141,620円、香港172,356円、中国283,842円、米国175,554円と国別では中国が突出。

 

■訪日観光客の一番の目当は、「日本での食事」。

H27年一年で訪日客の外食支出は6420億円と推定されています。

→日本の外食産業に非常に大きな影響を及ぼしている事実

 

■予想を上回る結果

「満足した日本食」ランキング(各国合計)では、1位ラーメン、2位肉料理、3位寿司となりました。速報段階で私の予測ではラーメンが2位に入るとしていましたが、寿司を差し置いて、堂々の1位になりました。時代の変化を感じざるを得ません。

 

■何よりも、予想を超越していましたのは、

ほぼ全ての国において、日本訪問の『事前に最も期待していたこと』が「日本食を食べること」なのです。

例外は爆買中国です。彼らだけは「ショッピング」が第一でした。

翻って、私たち日本人が海外旅行へある国に行く際に、「食事」を最大期待事項にするでしょか?

「食事も」ではないでしょうか?

私たちは私たちの価値~

日本の食は凄い~を過小評価しているのではないかと思ってしまいます。

 

■予想外の結果

・旅行形態

旅行の形態は、団体旅行やパック旅行が多いと思っていましたが、2000万人のうち団体旅行での訪日が多いのは中国だけで、訪日客全体の74%が個人手配でした。

しかもその大半がWEBでの旅行手配となっていました。

もちろん、アンケート回答を寄せた約4万人が個人手配旅行が多かったのかもしれませんが、予想外の結果でした。

旅行手配方法

日本人の過去の海外旅行経験の変化~最初はパックツアー、慣れてきて個人手配~の動きの通りに諸外国も動くのではないか?という予想は、大きく外れてます。

昔の日本人を思い出せ!とは一概に言えないようです。

つまり、インバウンド狙いとして「団体客を取り込む」というのは中国人だけに対応できる方法だということです。

 

・訪日前の情報源

情報源についても同様に昔とは違うようです。

「インバウンド」が話題になると、外国人をいかに取り込むか?ということに話題が集まり、

・訪日観光客はブログを参考に訪問先を選ぶので個人ブロガーへのアプローチが重要だ

・訪日客は皆トリップアドバイザーを参考にしている

などと情報が錯綜します。

 

今回の調査結果では、ブログもトリップアドバイザーも全て情報源として価値があり重要なのですが、国による情報源の差が明確に分かれました。

 

  • あまりネットに頼らない==フランス、イタリア
  • 個人ブログに頼る==韓国、台湾、マレーシア
  • ネット検索大好き==アメリカ、カナダ、オーストラリア
  • 日本に住んでいる知人友人に頼る==インド、フィリピン

これは分析しながら国民性がよく現れていると思いました。

意外だったのは、

 SNS、FaceBookを情報源にしている人は少数派

という事実でした。

対象とする国を見て、手段を講じる必要性を強く感じました。次ページに各国の情報源の上位10位までを列挙いたしましたので、皆様の狙う国の方々の情報源が何であるのか?そしてその比率がどの程度であるのか?をご確認いただくのが良いと思います。

 

 

 

出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)

訪日前の情報源

(出典:観光庁H27年度 訪日観光客消費動向調査のデータからアセンティア・ホールディングスが独自に作成)

「経験重視」にシフトする今後の訪日観光客の動き

日本への旅行に対する「期待」に関しては、綺麗に先進国と新興国で差が出てきました。

アンケートでは次に掲げる20項目に関して、

・訪日前に事前に期待していた事柄は何か?

・訪日前に、最も期待していた事柄は何か?

・次回日本に来たときにしたい事柄は何か?

という三種類の質問をしています。

1.日本食を食べること

2日本の酒を飲むこと(日本酒・焼酎等)

3.旅館に宿泊

4.温泉入浴

5.自然・景勝地観光

6.繁華街の街歩き

7.ショッピング

8.美術館・博物館

9.テーマパーク

10.スキー・スノーボード

11.その他スポーツ(ゴルフ等)

12.舞台鑑賞(歌舞伎・演劇・音楽等)

13.スポーツ観戦(相撲・サッカー等)

14.自然体験ツアー・農漁村体験

15.四季の体感(花見・紅葉・雪等)

16.映画・アニメ縁の地を訪問

17.日本の歴史・伝統文化体験

18.日本の日常生活体験

19.日本のポップカルチャーを楽しむ

20.治療・健診

訪日前の期待№1が「日本食を食べること」でありましたが、「次回やりたいこと」の回答を見ると、

17.日本の歴史・伝統文化体験に関心を持つのは先進国

7.ショッピングに関心を持つのは、新興国

という傾向が見て取れる結果となりました。

「モノからコト(経験)へ」、観光のテーマが移ると言われていますが、出身国の経済成長・発展に準じて、旅行への期待事項が変化することが、裏付けられた結果となりました。

 

しかし、次回訪問時にも「日本食を食べること」が全ての国の上位に入っています。

期待して訪日し、食べて満足し、次回もまた食事を楽しみたいと多くの訪日観光客が言ってくれているという事実。

これは、日本の食こそが、最大の観光資源であることを裏付けることになります。

 

この重要性に、外食産業の皆さんは気付いているでしょうか?

次回やりたいこと(国比較)(出典:観光庁H27年度 訪日観光客消費動向調査のデータからアセンティア・ホールディングスが独自に作製)

 

その他のインバウンド情報は、コチラ

https://blog.assentia-hd.com/inbound2.0


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